「ねえ、蓮くん。このチョコどうやって作ったの?」
月森の熱い腕の中で香穂子が不思議に思ってたずねてみた。
まさか女の子に・・・?
「・・・・・聞きたいのか?」
「うん。聞きたい」
あまり答えたくなさそうな月森にますます不審がって香穂子はその琥珀色の瞳をのぞきこむ。
しかたないなとため息を零すと月森は香穂子の体を抱きしめながらようやく口を開いた。
「土浦が・・・教えてくれた」
「えっ!土浦くんが・・・?なんで?どうして?」
「この方法を思いついた時・・・お菓子でもなんでも作るのが得意だと天羽さんが言っていたのを思い出したんだ。
女性である天羽さんに聞くより聞きやすいだろう?だから・・・」
天敵とも言えるほどだった土浦に電話で月森が頼み込んで土浦が説明してやり
それを月森が神妙に聞いていたのかと思うと思わず香穂子は吹き出しそうになった。
きっと時々ああでもない、こうでもないとケンカしながらだったのかなと想像できるからだ。
気持ちを見透かしたように目の前でじいっと見つめる月森の瞳とかち合って笑いをこらえた。
そして・・・。
「土浦くんにもお礼言わなきゃね・・・」
「そうだな・・・。感謝しなくちゃな・・・」
「珍しく素直だね、蓮くん」
「なんだって?」
からかわれて顔を赤くしてむきになる月森の体にぎゅっと抱きついていく。
「うそうそ、ありがと、蓮くん。大好きよ・・・」
月森も香穂子に耳元で囁かれて頬をゆるませるとそのまま体を
反転させるように抱き込んで覆いかぶさるように唇を重ねていった。
もう離さないというように強く強く抱きしめながら・・・。
2006.2.13
あとがき
眼鏡をかけつつレシピをしっかり見ながら香穂ちゃんのために甘いチョコ作りを頑張ったと思いますvv月森くんvv